EV協会の新会長
今年の登録目標未達予測
タイ電気自動車協会(EVAT)のスラート新会長は9月5日、今年のEV新規登録台数が8万台と、年初予測の15万台の約半数にとどまるとの見通しを明らかにした。昨年の新規登録台数の7万6,000台はわずかに上回る見込み。
同会長は、「EV需要が減少しているのではなく、景気の減速や、家計債務の増大に伴う金融機関による自動車ローンの厳格化などが伸び悩みの要因」と指摘した。こうした状況が続けば、国内でEV生産を望むメーカーがなくなると懸念を示し、政府に対し、家計債務問題の解決を最優先するよう求めると述べた。
LPG販売のタクニ
EV販売事業に参入
液化石油ガス(LPG)販売のタクニ・グループのチャートチャイ社長は、商用電気自動車(EV)などのショールーム兼販売店をバンコク都内に開設したと明らかにした。同社のEV販売事業は初めて。
クルンテープ・トゥラキット(電子版)などによると、ニティットマイ通りの6,400平方メートルの用地に設置した。地場系ネックス・ポイントの商用EVや、中国の台鈴(TAILG)の電動バイクなどを展示・販売するほか、試乗スペースも設けた。来年以降は、バンコク首都圏や地方の大都市にも、同様のショールーム兼販売店を増設することも計画している。同社長は、「既存の石油・ガス事業を中核に、新たな成長分野への投資を模索している」と述べた。
AION、高級SUV
「HYPTEC」投入
中国の電気自動車(EV)メーカーの広汽埃安新能源汽車(AION)は9月19日、高級スポーツタイプ多目的車(SUV)「HYPTEC」をタイ市場に投入したと発表した。現地法人のAIONオートモービル・セールス(タイランド)と、AIONオートモービル・マニュファクチュアリング(タイランド)が発表した。
投入したのは、ガルウイングドアを採用した「HYPTEC」で、「HT620プレミアム」と「HT620ラグジュアリー」の2モデル。容量が250キロワット時(kWh)のバッテリーを搭載した。1回の充電による航続距離は620キロメートル。
中国から完成車を輸入し、タイではそれぞれ144万9,000バーツ、174万9,000バーツで販売する。月間の目標販売台数は計2,000台。年内にEV充電所をバンコク都内に25カ所設置する計画も明らかにした。2027年までに全国で200カ所まで増やしたい考え。
長安汽車、高級EV
「アバター」を市場に投入
中国自動車大手の長安汽車は9月17日、高級電気自動車(EV)「アバター」をタイ市場に投入した。プラチャーチャート・トゥラキット最新号などによると、スポーツ用多目的車(SUV)の「アバター11」を公開した。長安汽車が、通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)、EV向け電池製造大手で中国最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)と共同で立ち上げたブランド。運転補助システムも搭載している。
長安汽車がタイで販売するモデルとしては、「深藍(ディーパル)」小型EV「宏光(ルミン)」ブランドに次いで3ブランド、4モデル目となる。長安汽車は、現地法人のチャンアン・オート・サウスイーストアジアが、東部WHAイースタン・シーボード4工業団地に100億バーツを投じて工場を建設中。来年3月までに稼働を開始する計画。
自動車販売ミレニアム
越同業と業務提携
自動車販売・レンタカーなどのミレニアム・グループ・コーポレーション(アジア)は9月19日、ベトナムの同業シティオートと業務提携したと発表した。マネー・アンド・バンキング・オンラインなどによると、ベトナムにおける新車と中古車の販売とアフターサービス、レンタカー事業、ファイナンシャル・サービス、自動車保険などについて、効率化や新規市場への参入などで協力する。
シティオートのホン・グエン社長は、「ミレニアム・グループとの提携により、タイとベトナムの両国で新たな事業機会を掴み取りたい」と述べた。ベトナムの昨年の新車販売台数は約40万台で、前年比23%増加した。中流階層の増加や経済成長に伴い、今後も自動車需要の拡大が見込めるという。
自動車プラナコン
中・リープのSUV投入へ
自動車の販売代理店プラナコン・オートモービル・グループはこのほど、中国の電気自動車(EV)メーカー、浙江零ホウ汽車(リープモーター)の中型スポーツ用多目的車(SUV)の「C10」を、11月にタイ市場に投入すると明らかにした。
ネオナー(電子版)などによると、11月に開催される自動車の展示・販売会「タイ国際モーターエキスポ」で披露し、販売を開始する。中国から完成車を輸入して販売する。タイ国内での販売価格は100万バーツ超とする予定。初年度の目標販売台数は1,500台に設定した。同モデルは、リープモーターがグローバル戦略車と位置づけており、トヨタの「カローラ・クロス」、ホンダの「CR-V」などが競合モデルとなる。プラナコンはバンコク首都圏など12カ所の販売代理店を指名し、ショールーム兼販売店を展開する予定。
リープモーターは2015年の設立。浙江省の杭州に拠点を置いている。今年5月には、欧州ステランティスと合弁会社のリープモーター・インターナショナルも設立した。
中国の高級EV
ジーカーがMPV投入へ
中国の自動車メーカー、吉利汽車傘下の高級電気自動車(EV)ブランド、「ZEEKR(ジーカー)」は9月23日、多目的車(MPV)「ZEEKR 009」を10月にタイ市場に投入すると発表した。現地法人のジーカー・インテリジェント・テクノロジー(タイランド)が、「009」を発売する。
容量116キロワット時(kWh)のリチウムバッテリーを搭載し、航続距離は686キロ。販売価格は309万9,000バーツに設定した。ボディーカラーは、「クリスタルホワイト」「エレクトリックブルー」「ファントムブラック」の3色。中国から輸入し、販売する。すでに500台の予約を受け付けており、10月に納車を開始できる見込み。
5年間または走行距離15万キロメートルまでの1級車両保険、8年間または走行距離18万キロメートルまでのモーターとバッテリーの保証を無料で付与する。また、5年間の24時間対応のロードサービスも提供。先着1,000台の購入特典として、家庭用EV充電器「VREMT」を無料で提供し、7万バーツ相当の設置費用も負担する。
販売代理店は6社を指名済みで、ショールーム兼販売店「ジーカー・ハウス」をバンコク都内9店、地方5店の計14店を設置した。年内に20店に増やすことを計画している。
ZEEKRは2021年に設立された。これまでに5モデルを20カ国・地域超に投入し、累計販売台数は約28万台。事業拡大に向け、今年の5月には米国で新規株式公開(IPO)を実施し、約4億4,100万ドルを調達。ニューヨーク証券取引所に上場した。
財務省物品税局
EV部品の国内生産を再確認
財務省物品税局のエクニティ局長はこのほど、政府による電気自動車(EV)振興策の適用を受けているメーカーに対し、2026年までに主要部品の生産が必要と再度、通達した。
9月24日付バンコクポストなどによると、26年までの国内生産開始が求められているのは、モーター、減速機、直流・交流変換器の3品目。政府はEV振興策「EV3.0」「EV3.5」により、モデルやバッテリー容量ごとに補助金を拠出することで、30年に国内生産する自動車の30%をEVとする目標を掲げている。これまでに同策の適用を申請した投資案件の総額は800億バーツに達した。
韓国・現代自動車
アイオニック5Nを投入
韓国・現代自動車のタイ法人ヒュンダイ・モビリティー(タイランド)は、電気自動車(EV)「アイオニック」の新モデルをタイ市場に投入した。ターン・セタキット(電子版)などによると、発売したのは、「アイオニック 5N」で同シリーズの3モデル目。販売価格は379万バーツに設定した。
84キロワット時(kWh)のリチウムイオン・バッテリーを搭載し、航続距離は448キロ。ボディーカラーは10色。「マット」はプラス2万バーツとなる。保障期間は5年、または走行距離15万キロ。バッテリーの保障期間は8年、または走行距離16万キロ。家庭用の充電器を付与する。
ホンダ、SUV「CR-V」
新モデル価格発表
ホンダの現地法人ホンダ・オートモービル・タイランド(HATC)は10月3日、スポーツ用多目的車(SUV)の新型「CR-V」のマイナーチェンジモデルの価格を発表した。ハイブリッド車(HV)「HR―Ve:HEV」のマイナーチェンジモデルとなり、販売価格は「E」が89万バーツから、「EL」が100万バーツから、「S」が110万バーツからとなる。
11月に開幕する「タイ国際モーターエキスポ」で披露し、正式に発売する。9月10日に予約販売を開始しており、11月27日までの予約分は年内に納入する。先行予約の特典として、自動車ローンの特別金利を適用するほか、5,000バーツ分の燃料クーポンを付与する。