帝人フロンティア
生産設備増設
帝人子会社の帝人フロンティアは、タイでポリエステル繊維の生産設備を増設すると発表した。9月から本格生産を開始する。テイジン・ポリエステル(タイランド)が、コンジュゲート長繊維の需要増に対応するため生産設備を増設する。
コンジュゲート長繊維用紡糸機、特殊延伸機などを導入する。生産量は来年度に年間700トンの見込み。コンジュゲート長繊維は、成分の異なる2種類のポリマーを2つに区切られた紡糸金口から同時に紡糸し、1本の繊維にしたもの。2成分が貼りあわされた構造や、新・鞘構造などがある。新設備で生産したコンジュゲート長繊維は、原糸やテキスタイル、それらを使用した製品として帝人フロンティアグループ向けをはじめ、国内外に幅広く販売していく。
テイジン・ポリエステル(タイランド)は1967年の設立。資本金は5億4,800万バーツで、中部パトゥムタニ県に工場を設置している。
軟包装材の朋和
中部にタイ初の工場建設へ
工業団地開発大手WHAインダストリアル・ディベロップメントは9月2日、軟包装資材の製造・販売などを手掛ける朋和産業(本社・千葉県船橋市)の新工場の起工式を行ったと発表した。現地法人の朋和パッケージング(タイランド)が、中部サラブリ県のWHAサラブリ工業団地内に工場を建設する。朋和産業のタイ工場は初となる。来年第2四半期の稼働開始を予定している。
朋和産業は2017年、同業の日本マタイとの折半出資で合弁会社「マタイ朋和パッケージング(タイランド)」を設立している。本社は中部ノンタブリ県に構える。軟包装製品、および重包装製品の販売を手掛けている。
SCXと東京建物
物流施設で起工式
SCアセット子会社のSCXは9月10日、東京建物(本社・東京都中央区)との合弁会社が中部サムットプラカーン県と東部チョンブリ県で開発する物流施設の起工式を開催したと発表した。東京建物タイランドが開発する。サムットプラカーン県では、バンナー・トラート通り20キロメートルに、第1期から第4期に分けて、倉庫5棟を計15区画開発する。来年1月から26年2月にかけて順次、開業する。
チョンブリ県では、レムチャバンの用地8万1,329平方メートルに3棟、10区画を開発する予定。3期に分けて建設する。開業は来年2月から26年1月にかけて。SCXは電子商取引や自動車などの産業を対象に、物流施設を拡充している。5年内に物流倉庫と賃貸工場の延べ床面積100万平方メートルを目指している。
建装建材アイカ工業
ADBシーラント買収
建装建材などのアイカ工業(本社・名古屋市中村区)は9月19日、接着剤メーカーのADBシーラントを買収すると発表した。シンガポール子会社のアイカ・アジア・パシフィック・ホールディングス(AAPH)を引受先とする第三者割当増資を実施し、議決権所有割合で51.0%の株式を取得する。取得額は約3億5,410万バーツと各種調整額。引受日は11月29日を予定している。
ADBシーラントは2023年の設立。プラスチック・接着剤メーカーのアプライドDB(ADB)から接着剤、シーラント製品、DIYプロダクト事業を分離して設立された。中部サムットプラカーン県に工場を設置し、溶剤ゴム系接着剤では国内で高いシェアを握っている。
AAPHグループは、アジア太平洋地域8カ国で21社、23工場を展開しており、接着剤や産業用樹脂事業を拡大してきた。ADBシーラントは、AAPHグループにないシーラント製品の製品ラインアップを有している。株式を取得することで、AAPHグループのブランド力と販売網を活用し、小売市場での地位を強化することが可能になると期待を示した。
また、アイカ工業グループ内の技術シナジーを活かすことで、ADBシーラントの高品質化を推進。接着剤市場でのシェア拡大を図り、アジアで1位の接着剤メーカーを目指す。AAPHは12年にアイカ工業の100%子会社となった。資本金は2億600万シンガポールドル(約52億5,440万バーツ)。
米グーグル、東部に
データセンター建設へ
政府は9月30日、米グーグルがタイでデータセンター事業に投資すると発表した。投資額は10億ドル。東部チョンブリ県にデータセンターと関連施設を建設する。グーグルがタイにデータセンターを設置するのは初めてとなる。設置による新規雇用は1万4,000人、経済効果は2029年に1,400億バーツを見込む。
ペートンターン首相は、「グーグルの検索や地図、メールなどのサービスは、多くのタイ人にとって日常生活で欠かせない重要なものになっている」とコメント。グーグルの投資は、タイのデジタル経済に重要と歓迎した。政府は2030年までにデジタル経済の地域拠点(ハブ)とする戦略を打ち出しており、データセンターやクラウドサービス事業への投資呼び込みを加速している。
ハイアールが工場建設
BOIが投資認可
タイ投資委員会(BOI)は9月19日、中国の家電最大手、海爾(ハイアール)集団の現地法人ハイアール・アプライアンス・マニュファクチャー(タイランド)の大型投資計画を承認したと発表した。
投資額は135億バーツ。東部チョンブリ県にスマートエアコンの生産工場を建設する。年産能力は600万台で、このうち300万台は圧縮機と凝縮器が一体となった室外機と、蒸発器が内蔵された室内機の2つで構成されるスマートスプリットエアコンとする。製品の85%は海外に出荷する計画で、BOIは年間の輸出額は320億バーツに上ると試算している。新規雇用は3,250人。ハイアールのシンガポール支社を通じて投資する。
BOIが昨年1月から今年6月までに認可したスマート電気製品の生産事業は、計822億バーツに達する。韓国サムスン電子や中国の美的集団、ソニーなどが投資を申請した。同期間に承認されたスマート電気以外の電気製品の生産計画は164億バーツだった。