製造業ニュース 2023年08月25日08:49

News Topics vol222

三菱ガス化学は5月8日、東部ラヨン県の現地法人が半導体パッケージ材料「ビスマレイミド・トリアジン(BT)樹脂」の生産能力を2倍に引き上げると発表した。第5世代(5G)通信関連向けなどの用途で需要が高まっていることから、新たな建屋を設けて生産体制を強化する。2025年10月にも営業運転を開始する。

News Topics vol222
三菱ガス化学
電子材料の生産能力倍増へ
 
 
三菱ガス化学は5月8日、東部ラヨン県の現地法人が半導体パッケージ材料「ビスマレイミド・トリアジン(BT)樹脂」の生産能力を2倍に引き上げると発表した。第5世代(5G)通信関連向けなどの用途で需要が高まっていることから、新たな建屋を設けて生産体制を強化する。2025年10月にも営業運転を開始する。
 WHAイースタンシーボード工業団地で操業するMGCエレクトロテクノ(タイランド)が、来年4月に着工。第1期工事と同水準の設備を導入し、生産能力を倍増させる。同法人は昨年4月にも設備の追加導入を終えて、生産能力を引き上げている。三菱ガス化学は日本の福島県とラヨンでBT樹脂を生産。福島のマザー工場で先端・高性能・少量多品種を手掛け、ラヨンの工場は量産品を担当している。
 
国営石油PTT
EV電池中国最大手と提携
 
 国営石油PTTの電気自動車(EV)関連子会社のアルン・プラスは6月8日、EV向け電池製造で中国最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)と業務提携したと発表した。アルン・プラスは政府が推進する東部経済回廊(EEC)計画の対象地域のうち、最も手厚い優遇措置が与えられる東部チョンブリ県の特別区に、36億バーツを投じて新工場を建設。CATLが持つ車載用リチウムイオン電池の新設計「CTP(セル・トゥー・パック)」の生産設備と技術、ライセンスを供与してもらう。
 
 新工場の年産能力は6ギガワット時(GWh)。来年の稼働を目指す。アルン・プラスはCATLとの提携により、タイを東南アジアのEV生産ハブ(拠点)とする政府の計画に貢献できると期待を示した。PTTはEV関連事業を強化しており、傘下のPTTORは自社のガソリンスタンドや他社のホテル、ショッピングセンターなどで充電スタンドの設置を進めている。これまでに約2,200カ所を設置した。また、傘下のホライズン・プラスはEV生産を計画している。
 
石化インドラマ
PET再生に15億米ドル
 
 石油化学大手のインドラマ・ベンチャーズは、2025年までに再生ポリエチレンテレフタレート(PET)の年産能力を世界全体で75万トンに引き上げる目標を掲げ、事業を拡大していることを明らかにした。投資予算は総額15億米ドル。ペットボトルの年間処理能力を500億本に引き上げる。
 工場はタイやフィリピン、米国、フランス、オランダなど計20カ所に構える。11年に事業を開始し、これまでに900億本を再生した。ペットボトルの廃棄量を200万トン、原油の消費量を300万バレル削減したという。同社は30年までに環境負荷をゼロにする「ネットゼロ」の実現を目指し、温室効果ガス排出量の削減や、再生可能エネルギーの利用拡大などにも取り組んでいる。
 
プリンターのローランド
中部に新工場を稼働
 
 広告・看板用インクジェットプリンターなどを製造・販売するローランドディー.ジー.(本社・静岡県浜松市)は5月23日、中部サムットサコン県で新工場が稼働を開始したと発表した。受注の急拡大に対応し、生産能力を増強する。子会社のローランド・デジタル・グループ(タイランド)がシンサコン工業団地内にある工場の敷地内に新棟を建設。4月3日に稼働した。投資額は1億2,000万バーツで、新棟の床面積は6,600平方メートル、生産エリアの面積は4,410平方メートル。業務用インクジェットプリンターと歯科用のデンタル加工機を生産する。年産能力はそれぞれ7,200台、4,800台の計1万2,000台。
 既存工場は2012年10月に量産を開始した海外初の工場で、年産能力はインクジェットプリンターが2万4,600台、デンタル加工機が4,800台の計2万9,400台。生産効率や価格競争力を向上するため、21年にはデンタル製品、22年にはプリンターの量産機能をタイに集約した。また、日本の本社で行っているサービスパーツなどの管理・出荷業務についても、今年の12月にはタイに移管を開始できるよう、準備を進めている。
 
 
工業団地アマタ
中国EV業向け新団地開発
 
 工業団地開発大手アマタ・コーポレーションは、東部ラヨン県に中国企業向けの新たな工業団地を開発していることを明らかにした。電気自動車(EV)と電池の生産を促進する。すでに20~30社が土地を購入し、工場の建設を始めている企業もあるという。
 工業団地への投資額は20億バーツ。中国浙江省に本拠を置く華立集団との合弁事業で、アマタが51%、華立集団が49%を出資している。米中貿易摩擦を背景に増加する中国からの生産移転を取り込む。両社はこれまでにも同県で中国企業向けの「タイ・チャイニーズ・ラヨン工業団地」を共同開発しており、今回で2カ所目の工業団地となる。1カ所目は投資額が40億バーツで、2007年から約200社の中国企業に計480万平方メートルの土地を提供している。
 
 
プラントの田辺工業
タイ子会社の設立完了
 
 プラント建設などの田辺工業(本社・新潟県上越市)は5月26日、タイ子会社の設立手続きが完了したと発表した。「タナベ・エンジニアリング・アジア」を5月9日に設立した。所在地はバンコク都内バンナー地区。プラント設備の設計、機器製作、機器調達販売、請負工事、メンテナンスなどを手掛ける。資本金は400万バーツで、田辺工業が49%を出資した。タイでは表面処理事業などの子会社タナベ(タイランド)を展開している。新会社の設立により、主力事業の拠点を設置し、東南アジア諸国で事業拡大することを目指す。
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