ビジネスニュース 2024年02月21日13:59

New Topics vol226

食品メーカーの日本食研ホールディングス(本社・愛知県今治市)は1月17日、タイでブレンド調味料の製造工場の建設を開始したと発表した。日本国外の工場としては6カ所目となる。現地法人のタイ日本食研が、東部チョンブリ県に工場を建設する。

New Topics vol226

日本食研、東部に
ブレンド調味料の工場建設

初期投資額は約28億円。敷地面積は5万1,924平方メートル、延べ床面積は5,685平方メートルで、鉄筋コンクリートの三階建てとする。液体・粉体ブレンド調味料を生産し、年産能力は9,500トンを予定している。昨年11月1日に着工しており、今年10月の竣工と来年1月の稼働開始を見込んでいる。
 日本食研は2001年、現地の食品会社と業務委託契約を締結し、粉体ブレンド調味料の製造
工場を開設した。03年にバンコク事務所を開設。22年に現地法人のタイ日本食研を設立した。東部工場は本社工場とし、完成と同時に本社所在地をバンコク都内から移転する。日本食研グループの海外事業は、1986年に台北支店を開設して以降、これまでに10カ国・51拠点まで増やしてきた。現地法人はタイを含む4カ国・5社。

電源開発、ラヨン県の
発電所建て替え完了
 
  Jパワー(電源開発)は1月29日、東部ラヨン県で進めてきた天然ガス火力発電所の設備更新工事が竣工したと発表した。1月28日に営業運転を開始した。ラヨン工業団地内の発電所で、Jパワーがタイで初めて実施した設備更新事業。同社が2割、発電会社エレクトリシティ・ジェネレーティング(EGCO)が8割を出資しているEGCOコージェネレーションが発電所を立て替えた。
 新たな発電所は出力74メガワット(MW)、蒸気の生産能力は毎時35トン。最新設備の導入によりエネルギー利用効率を向上させ、温室効果ガスの杯出力を削減することで低炭素化に貢献する。既存の発電所は2003年に運転を開始し、主にタイ発電公団(EGAT)に電力を販売してきた。21年契約の期限切れに合わせ、新たな発電所に切り替えた。新たに25年契約を結んでいる。
 
 
日系企業の景況感悪化
今後は改善見通し
 
  盤谷日本人商工会議所(JCC)が1月30日発表した日系企業の景気動向調査によると、昨年下半期の業況感指数(DI)は低下するが、今年上半期は上昇する見通しとなった。JCC会員企業を昨年11~12月に調査し、539社が回答した。DIは前期に比べて業況が「上向く(上向いた)」との回答比率から、「悪化する(悪化した)」との回答比率を引いた値。業況が改善した企業が多いとプラスになる。昨年上半期(実績)のDIはマイナス10だった。昨年下半期(見通し)のDIはマイナス16と、マイナス幅が拡大した。
 エネルギーコストの低下や継続するインバウンドの回復による好影響などがみられたものの、耐久消費財の不振、世界経済の回復ペースの鈍化や金融政策の引き締めによる輸出需要の減少などが要因と分析した。昨年下半期の業種別のDIは、「鉄鋼・非鉄」「金融・保険・証券」「運輸・通信」「輸送用機械」などが大幅なマイナスになると見込まれる。
 今年上半期(同)のDIは、外国人旅行者の増加の継続、新政権の景気対策の効果、輸出需要の回復への期待などから、10に上向き、プラスを回復する見通し。業種別では、「繊維」「輸送用機械」を除いてプラスになる見込み。設備投資では、2024年度に「投資増」を見込む企業は24%となった。「横ばい」は45%、「投資減」は15%。
 今後の有望市場(複数回答)については、「ベトナム」が45%で1位となった。次いで「インド」が44%、「インドネシア」が31%、「日本」が17%の順となった。進出先(検討中を含む)(複数回答)」でも、「ベトナム」の回答が48%で最多だった。
 また、経営上の問題点(複数回答可)の調査では、「他社との競争激化」との回答が66%で最も多かった。次いで「総人件費の上昇(46%)」「原材料価格の上昇(44%)」「エネルギーコストの上昇(35%)」などと続いた。
 製造業では、「製品・利用者ニーズの変化への対応(27%)なども多かった。タイ政府に対する要望事項としては、「関税や通関に関わる制度・運用の改善」「交通インフラの整備」「景気対策の推進(消費喚起)」などが目立った。製造業では「為替の安定化」、非製造業では「外国人事業法の緩和」なども多かった。
 
小林製薬が現法
「熱さまシート」増産へ
 
  小林製薬は1月31日、タイに現地法人を設立したと発表した。世界的に需要拡大が見込まれる額冷却シート「熱さまシート」の増産に対応する。新会社のコバヤシ・ファーマシューティカル・マニュファクチュアリング(タイランド)を、1月19日付で設立した。
 資本金は4億6,000万バーツ。シンガポール子会社のコバヤシ・ファーマシューティカルが1株、残りを小林製薬が出資した。工場は中部サムットプラカーン県に建設する。敷地面積は1万2,000平方メートル、建屋は5,000平方メートルを予定している。「熱さまシート」を生産し、年産能力は1億枚の見込み。製品は東南アジア地域に出荷する。生産開始は来年9月を予定している。将来的には、同工場で他の品目を生産することや、東南アジア地域における販売戦略を支える開発・輸出拠点とすることも視野に入れている。
 「熱さまシート」は、特に海外において新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに使用の習慣化が進み、今後も需要拡大が見込まれるという。現在は日本と中国で生産しており、中国では新棟も建設中ではあるが、さらなる生産能力の増強が急務。タイに現地法人を設立することで、東南アジア地域における「熱さまシート」の地産地消による安定供給を図る。
シェア

今すぐ登録すると、さらに詳細な情報が閲覧できます。