
ミツトヨ(タイランド)が新社屋をオープン
大規模ショールームでソリューション型展示を
タイ法人設立から四半世紀。2023年10月に満25周年の記念式典を実施した精密測定機器の総合メーカー「株式会社ミツトヨ」のタイ法人MITUTOYO (THAILAND) CO., LTD.では、新たな四半世紀を迎えた2024年も記念行事が続いている。1月半ばには、スワンナプーム空港に近い新社屋で完成のセレモニー。内外から多くの来場者が集まった。最大の特徴は従来比3倍となったショールーム。世界最高クラスの超高精度三次元測定機の展示をはじめ、今後はソリューション型の展示を強化していくと決意も新たにした。ミツトヨ(タイランド)の次なるフェーズが始まっている。
■ 仲介の労は間違っていなかった
「益々ここタイランドの地に根付き、ビジネスパートナーの皆様を通し、この愛すべき国タイランドに貢献してまいります」。日本本社から駆けつけた牛島成浩上席執行役員のこうした挨拶で始まった1月19日のオープニングセレモニー。マンダリン・オリエンタル・バンコクで開かれた式典は、関係省庁、大学、取引先、工作機械メーカ―など業界関係者ら200人近い人々で賑わった。
式典には、アジア・パシフィック地域を統括するシンガポール法人からManaging Director松生高志氏も参加。「新たなスタートを機に更に皆様のお役に立てるよう頑張りたい」と謝辞が述べられた後、「今、世の中は100年に一度のパラダイムチェンジ。(我々も)大きく変化してチェンジ、チャレンジ、イノベーションに果敢に取り組んで参りたい」と今後の抱負が語られた。
一方、来賓代表として祝辞に立ったのは、販売代理店(SUMIPOL CORPORATION LIMITED)を率いるChirapan Oulapathorn氏。新社屋用地を紹介した時の秘話を明かして、「(この地に新社屋を建設することによって)ミツトヨのブランド力がさらに引き上げられると確信した」と述べ、仲介の労は間違っていなかったと強調した。同氏は「従業員も喜ぶに違いないとも思っていた」とも語った。実際、約50人のスタッフは誰も退職せずに新しい勤務地に通勤している。
■ 新社屋には多彩な設備が満載
新ショールームには超高精度の新型LEGEXを初め、主力のCrysta-Apex Vシリーズ、製造現場対応型MiSTAR555、インライン対応MACH-3Aなど大小10台ほどの三次元測定機が展示されている。「新しいショールームでは、測定機だけを展示することに止まらないソリューション型のアプローチを心がけたい」と話すのは、タイ法人ManagingDirectorの内田俊二氏だ。その一例として挙げるのが、他社製も含めたロボットなどとの一体展示。ともすれば最終工程の検査用とされがちな測定機。しかし、その位置付けは時代とともに変化している。「測定機を生産ラインの中に取り込み、不良品を出さないよう監視する役目を担うのがこれからの流れ。こうしたソリューション事例や3DCADがあれば全自動で測定プログラムが作成できるソフトウェア MiCAT-Planner等を組み合わせ、品質向上や効率化などを提案していきたい」と意気込む。
新社屋はほかにも、さまざまな施設・設備を満載している。例えば、2階には100~150人は収容できるというカンファレンスルーム。顧客を招いた情報交換の会議やセミナーなどの実施が可能という。早速、3月7日には第1回目となるプライベート展示会も同ルームで開催。100人を超える来場客が駆けつけ、活用の幅が再確認された。
また、同じ階には取引先のタイ人エンジニアらを招いて、測定の基礎から測定機の操作法やノウハウといった技術指導ができるトレーニングセンターがあり、一度に10数人の受け入れが可能。タイで唯一DSD(Department of Skill Development)のCNC三次元と表面粗さのレベル2の公的認定が得られるMitutoyo National Standard Testing Centerも併設した。
「測定機が納品される以前にトレーニングを実施しておけば、据付後もスムーズに事業着手が図れる上、測定機稼働後も測定機の稼働率を落とさずに技能者への講習を提供出来る」と内田氏が説明するように、同社の顧客に対する基本姿勢をうかがい知ることができる。
事務フロアとなる3階は、モノクロをデザインした近代的なオフィスを思わせる斬新な造り。この一角に、従業員用のフィットネスルームやバーベキューも可能な食堂フロア、さらにはシャワールームなどの福利厚生施設も備える。「従業員総出でアイデアを出し合って考えた」という共有スペースは、スタッフのモチベーションアップにも一役買っているという。4月半ばの旧正月(ソンクラーン)では、水掛けの行事にも利用された。
さらに、屋上には太陽光発電用のソーラーパネルも完備。企業のSDGs化につながる脱炭素化にも一役買うという。敷地面積が4800㎡もあるというミツトヨ(タイランド)の新社屋は、さまざまな可能性を内包しながら航海を始めたばかりだ。
MITUTOYO (THAILAND) CO., LTD.
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