製造業ニュース 2023年08月25日14:09

AUTO Topics vol223

電気自動車(EV)中国最大手、比亜迪汽車(BYD)の販売代理店を務めるレバー・オートモーティブは、7月6日に販売価格を発表した新型EVの小型車「ドルフィン(海豚)」の成約台数が10日間で3,089台に達したと明らかにした。

AUTO Topics vol223
EV「ドルフィン」
10日間で成約三千台
 
 電気自動車(EV)中国最大手、比亜迪汽車(BYD)の販売代理店を務めるレバー・オートモーティブは、7月6日に販売価格を発表した新型EVの小型車「ドルフィン(海豚)」の成約台数が10日間で3,089台に達したと明らかにした。
 プラチャーチャート・トゥラキット最新号などによると、同社2モデル目のEVで、中国から輸入する。好評のため、BYDに輸入台数の追加を求めて交渉している。17日に納車を開始した。最低価格は69万9,999バーツで、昨年11月に発売した初モデルの小型スポーツ多目的車(SUV)「ATTO3(元プラス)」を4割ほど下回る。
 年内には3モデル目を投入する計画で、今年は3モデル合計で5万台の販売を目指す。現在は中国からの輸入車を販売している。東部ラヨン県で工場の建設を進めており、来年以降に現地生産に切り替える。
 
 
東南アのEV販売
タイが全体の79%
  
 香港の調査会社カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチの調査によると、第1四半期の電気自動車(EV)の東南アジア販売台数で、国別でタイがトップだった。バンコクポスト(電子版)などによると、タイは全体の79%を占めた。
 EVの物品税や輸入関税、法人税の減免、補助金交付など優遇措置を多く導入していることが、EV販売を促進していると分析した。優遇措置が中国のEVメーカーを魅了しているとも指摘。比亜迪汽車(BYD)、長城汽車などによる現地生産モデルが、EV市場を活性化させていると説明した。
 中国のEVメーカーによるタイ投資額は計14億4,000万ドルに達した。同期の東南アジアにおける乗用車市場でEVの比率は、昨年同期の0.3%から3.8%まで上昇した。販売台数が最も多かったのは、BYDの小型スポーツ多目的車(SUV)「ATTO3(元プラス)」だった。次いで長城汽車の「ナタ汽車(NETA)V」、米テスラの「モデルY」。全体の75%を中国メーカーのモデルが占めた。
 
 
米EVテスラ
タイでの予約台数2万台突破
 
 電気自動車(EV)大手の米テスラは、タイ国内での予約台数が2万台を突破したと明らかにした。プラチャーチャート・トゥラキット最新号などによると、現地法人のテスラ(タイランド)が昨年12月7日にセダン「モデル3」、小型スポーツ多目的車(SUV)「モデルY」の予約販売を開始し、タイ市場に正式に参入。本格参入から半年あまりで予約台数が2万台を超えた。
 無料通信のスマートフォン向けアプリ「LINE」の公式アカウントなどでも予約を受け付けており、納車までは数カ月待ちの状態という。好調な販売を受け、テスラはアフターサービスを拡充する方針も明らかにした。このほど、初のショールーム券サービスセンターをバンコク都内のラムカムヘン通りで開業した。旗艦店として、テスラの技術紹介なども行う。
 また、高速充電が可能な充電所「スーパーチャージング・ステーション」の設置も推進する。これまでに都内に5カ所、中部サムットプラカーン県と東部チョンブリ県にそれぞれ1カ所の計7カ所を設置した。今後は全国への設置を目指す。
 運輸省陸運局によると、1~6月のテスラの新規登録台数は5,095台だった。単月では、1月が32台、2月が709台、3月が1,523台、4月が534台、5月が1,072台、6月が1,225台。昨年は442台が登録された。タイ工業連盟(FTI)自動車部会のスラポン副部会長によると、6月のEV新規登録台数は9,680台となり、昨年同月比496.4%増加した。このうちセダンが7,603台を占めた。
 
 
三菱自、1トンピックの
新型トライトン発表
 
 三菱自動車工業は7月26日、1トンピックアップトラック「トライトン」を9年ぶりにフルモデルチェンジし、タイで世界初披露した。タイ東部の工場で生産し、同日にタイでの販売も開始した。6代目となる新型トライトン(L200)は、「ビースト・モード(勇猛果敢)」をコンセプトに開発した。ボディサイズを一回り大型化するとともに、新開発したラダーフレーム、シャシー、クリーン・ディーゼル・エンジンを搭載したほか、内外装やサスペンションなども刷新。水平基調で力強いスタイリングとした。
 フロントは猛禽(もうきん)類を連想させる昼間走行ランプを採用した。タイでは、「シングルキャブ・ハイラダー4WD」「ダブルキャブ・ハイラダー2WD」「ダブルキャブ・ハイラダー4WD」の3モデルを販売する。販売価格はシングルキャブが69万9,000バーツから、ダブルキャブが82万バーツからなどに設定した。
 記者会見に登壇した同社の加藤隆雄代表執行役社長兼最高経営責任者(CEO)は、「トライトンは重要な世界戦略車。これまでに世界市場で560万台のピックアップトラックを生産し、150カ国・地域で販売してきた。このうち、トライトンが生産量の20%を占めている」と述べた。タイに次いで東南アジア諸国連合(ASEAN)地域とオセアニアなどで発売し、来年には日本でも販売を開始する。100カ国超で年間20万台の販売を目指す。
 このほか、新型の小型スポーツ多目的車(SUV)、型多目的車(MPV)の新型「エクスパンダー」のハイブリッドモデルを来年の初頭にも発売することも明らかにした。トライトンは2005年の発売。タイで全量を生産している。優れた耐久性、堅牢性、走破性、快適性、乗り心地の良さを実現した、三菱自動車の世界戦略車。東南アジア、オセアニア、中南米、中近東、アフリカなどでも好評を博してきた。

 

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