製造業ニュース 2023年12月26日09:37

News Topic Vol 225

投資委員会(BOI)の11月9日発表によると、23年1~9月の投資申請額は前年同期比22%増の5,168億バーツ、申請件数は31%増の1,555件だった。新型コロナウイルスの影響からの回復が進み、外資からの投資が相次いだ。外資(出資比率10%以上)の申請額は43%増の3,985億バーツ、申請件数は49%増の910件。
 国・地域別では、中国が974億バーツ(264件)でトップとなり、外資による投資額全体の24%を占めた。2位はシンガポールで802億バーツ(133件)、日本は3位で431億バーツ(176件)だった。

News Topic Vol 225

23年1~9月の投資申請額
22%増、件数31%増

長期的に投資促進を図る重点産業は787件、3,662億バーツに達した。電気・電子はうち2,082億バーツ(171件)で最大。次いで農業・食品加工産業は557億バーツ(213件)、自動車・部品は422億バーツ(151件)などの順だった。9月までに申請された大型投資案件は、製糖大手コンケン・シュガー・インダストリーによる砂糖・シロップ製造工場の拡張(41億バーツ)、製糖ティップ・シュガー・スコータイによる砂糖・上白糖製造工場の拡張(29億バーツ)など。
 BOIは認可された投資事業により、2兆バーツの輸出額が見込めると試算した。新規雇用は10万人。今後の投資を加速させるため、外国人事業免許(FBL)の取得基準の緩和、クリーンエネルギー・再生エネルギーに対する規定導入などを検討する。

ミツワ電機工業の現法
23年上半期も増収増益

ミツワ電機工業(本社・大阪府羽曳野市)の現地法人タイミツワが11月13日発表した23年上半期(4~9月)の連結決算は、売上高が前年同期比13.5%増の20億1,950万バーツ、純利益が同2.6倍の2億5,060万バーツだった。売上高のうち、プラスチック部品が1.3%増の8億5,960万バーツ、マグネシウム部品が27.5%増の11億1,570万バーツ。
 一方、金型は21.2%減の4,410万バーツだった。同社は3工場を構え、自動車、家電用のプラスチック部品やカメラ、携帯電話用のマグネシウム部品、金型などを生産している。新型コロナウイルスの影響が薄れ、22年度は2年連続の増収増益だった。

工業団地アマタ
23年3Qは2桁増収増益

工業団地開発大手アマタ・コーポレーションが11月14日発表した23年第3四半期の連結決算は、売上高が前年同期比47.1%増の28億6,400万バーツ、純利益が同12.2%増の3億9,600万バーツだった。
 売上高のうち、主力の工業団地の用地販売の収入は同189.3%増の16億1,400万バーツに達した。用地販売面積は国内が16万9,600平方メートル、ベトナムが26万5,600平方メートルだった。給水・電力供給などのサービス収入は21.8%増の10億1,000万バーツ、賃貸収入は10.2%増の2億1,600万バーツ。23年1~9月の売上高は11.7%増の64億8,000万バーツ、純利益は22.8%減の12億200万バーツ。

原産地証明を電子化
貿易局が23年12月から

商務省貿易局はこのほど、タイ産の原産地証明書(CO)の申請・発行手続きを電子化すると明らかにした。12月15日に利用を開始する。ネオナー(電子版)などによると、「DFTスマートC/O」を開発した。24時間利用可能で、発給されたCOは事業者自身が印刷して利用することができる。まずは東アジア地域包括的経済連携(RCEP)、東南アジア諸国連合(ASEAN)のうちタイを含む5カ国と香港の自由貿易協定(FTA)(AHKFTA)、日ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)、タイとペルーのFTA、タイとチリのFTAの5件が対象となる。24年にはすべてのCOに利用対象を拡大したい考え。

米IT大手3社がタイ投資へ
首相が誘致成功

 政府は11月15日、クラウドサービスのアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)、マイクロソフト、グーグルの米国を代表する大企業3社から、計3,000億バーツのタイ投資誘致に成功したと発表した。
 バンコクポスト(電子版)などによると、いずれもデータセンターを設置する見通し。AWSは、大規模データセンター「ハイパースケール」の整備を含む、クラウドサービスの地域拠点をタイに設置する計画。チャイ政府報道官は、「AWSの投資によりタイの競争力が高まるうえ、アドバンスト・セクターにおける人材の専門知識が深まる」と歓迎した。
 マイクロソフトは、デジタル技術の競争力を高め、効率的に電子サービスが提供できるようタイ政府に協力することで、覚書を結んだ。グーグルがデータセンターを設置すれば、同社にとって、タイはアジア太平洋地域で4番目の拠点となる。セター首相は3社との会談の中で、タイの地理的優位性やインフラ整備、公衆衛生、教育システムなどをアピールしたという。

上場企業の純利益11%減
原油価格など影響

 タイ証券取引所(SET)は11月24日、SET上場企業の23年1~9月の売上高合計が前年同期比3.4%減の12兆7,297億8,200万バーツ、純利益合計が同10.6%減の7,408億1,400万バーツだったと発表した。原油価格下落や世界経済減速が影響し、エネルギー、石油化学関連企業などの売上高、純利益が大きく減少した。
 2部市場(MAI)上場企業の売上高合計は1.2%増の1,453億3,800万バーツ、純利益合計は35.0%減の54億7,900万バーツだった。SETとMAIの上場企業のうち決算報告が完了した815社を対象に集計した。75%に当たる614社が黒字だった。

日本人現採の雇用増加へ
日系企業調査

市場調査のクロス・マーケティンググループ(本社・東京都新宿区)が11月30日に発表した在タイ日系企業調査によると、日本人現地採用の雇用が増加し、駐在員を減らす傾向にあることがわかった。
 調査は23年10月2~17日に実施し、製造業473社、非製造業574社の計1,047社が対象。クロス傘下のカデンス・インターナショナル(タイランド)、人材紹介大手パーソネルコンサルタント・マンパワー(タイランド)が共同で行った。今後の企業マネジメントについて、製造業の45%、非製造業の40%が「ローカルマネジメント層を増やす」と回答した。
 新型コロナウイルス渦だった2021年調査と比較すると、それぞれ17ポイント、19ポイント増加した。「日本人駐在員を減らす」との回答も増加し、現地化が進むと分析した。日本人現地採用社員を雇用している企業は、製造業で46%、非製造業で42%。平均雇用人数はそれぞれ2.3人、2.9人だった。
 日本人現地採用の職種は、製造業では「製造・エンジニア」が41%で最多。次いで「営業」が37%だった。非製造業では、「営業」が52%、「経営層」が36%となった。今後、管理職クラスの人材の需要が高まっていくとの見方を示した。

 

 

 

 

 

 

シェア

今すぐ登録すると、さらに詳細な情報が閲覧できます。